温泉ソムリエ
温泉ソムリエ
温泉ソムリエ協会認定 温泉ソムリエ 中川賢哉
温泉についての知識を増やしてそれを活用することで、みなさんにより温泉を楽しんでいただきたいと思い、温泉ソムリエの認定を受けました。まずは、温泉のことを知っていただくきっかけとして、温泉の歴史を紹介したいと思います。
温泉の歴史
温泉の歴史は古く、日本で最も古い文献とされている「古事記」や「日本書紀」にも温泉の記述が見られるなど、
【奈良時代】のころからすでに温泉を利用していたようです。
【平安時代】になると、「万葉集」や「古今和歌集」などにおいて各地温泉地を旅した歌が多く詠まれています。
【鎌倉時代】からは広く一般化し、医学的にも活用され始めたようです。
【江戸時代】には、温泉地での湯治が普及し、温泉宿が建設されました。
また、医学的効用についての研究分析が進んで、効果効能が示されるようになり、より大衆化していったようです。
【明治時代】以降は都市住民の保養の場、慰安の場となってきました。
温泉掘削技術の進化により温泉掘削が盛んとなり、多くの新しい温泉地が開発されました。
【大正から昭和】にかけては、温泉地の整備が進み、各地から人々が訪れるようになります。
多くの温泉地が観光地化されたり、別荘地となったりました。
【高度成長期】には、宴会の場として利用され、歓楽化が進展していきました。
宿泊施設は大型化し、遊興施設を設けるなど、観光温泉地へと変容していきました。
【バブル崩壊後】歓楽温泉地は衰退し、消費者の本物志向化や、療養・保養機能が見直されたことから、
野趣あふれる山間の秘湯などが人気となります。
【平成】に入ると、日帰りで気軽に入浴できる温泉施設が各地に新設され急増しました。
【現在】温泉が様々なメディアで取り上げられることが多くなり、新しい形の温泉ブーム到来ともいえるでしょう。
海外からも多くの観光客がONSENを求めて訪れるようになりました。
このように、現在の温泉地および温泉文化は極めて多様化、グローバル化しながらも、
天与の恵みである温泉は、古今東西、老若男女、共有の財産として今日に受け継がれているのです。
※参考文献 「温泉ソムリエテキスト」 温泉ソムリエ家元 遠間和広
温泉ソムリエとして皆様へのメッセージ
温泉に入るのって本当に素敵な時間です。みなさんが気持ちよく入浴できるよう、マナーを守って楽しく利用していただきたいと思います。
温泉は疾患を「治療」するというよりは、 全体的に体調を整える「健康増進」や「病気予防」という側面で力を発揮します。
できるだけ健康を維持できるよう、温泉で病気を予防し、健康増進につとめていただきたいと思います。
地表に湧出する前の温泉は「還元系」の特性を有しており、活性酸素によって酸化され、錆びつく恐れのある私たちの細胞を還元し、活性化する働きを持っています。
源泉かけ流しの温泉は、最も効果の高い還元力を備えた温泉です。還元系の生きた湯が湧き続けている温泉こそが本物の温泉であると思います。
ぜひ、源泉かけ流し(循環式併用)の新鮮な天然温泉を「ゆくりえ」でご堪能ください。